2019年7月4日木曜日

東南アジア映画の巨匠たち

左からエリック・クー、ブリランテ・メンドーサ、ガリンヌグロホ監督。
ほぼ同世代の3人。ゲスト登壇予定。(3日、シンポジウムにて)


「東南アジア映画の巨匠たち」
7月3日(水)ー10日(水)有楽町スバル座にて(上映は4日から)

今年設立6年目を迎える国際交流基金アジアセンターが、これまでの文化事業の集大成として「響き合うアジア2019」を開催している。その一環として東京国際映画祭とともに企画されたのがこのプログラム「東南アジア映画の巨匠たち」だ。各国の巨匠たちの作品に加え、次世代の作家もまとめて10作品を紹介する。

目玉といえば、インドネシア映画の巨匠、ガリン・ヌグロホ監督の最新作で日本初上映の『メモリーズ・オブ・マイ・ボディ』だろう。中部ジャワのレンゲル(女装した男性が踊る女形舞踊)の踊り手を主人公にした作品で、ヴェネチア国際映画祭に出品されたものだ。
エリック・クー監督の名作『ミー・ポック・マン』(デジタル・リマスター版/1995)や『一緒にいて』(2005)は、怪奇映画というジャンルに留まらないシンガポールらしい作品。久しぶりの上映で今後いつ上映機会があるかわからない必見作だ。
リティ・パン監督の『飼育』(2011)は大島渚監督の同名作をカンボジアに置き換え翻案した作品。
次世代の新鋭作品といえば、ヌグロホ監督の愛娘カミラ・アンディニ監督の『見えるもの、見えざるもの』(2017)は『マルリナの明日』と同時にフルメックスで最優秀作品賞に輝いた秀作。バリ島を舞台に双子の子供たちの心象風景を描く。タイの新鋭ナワポン・ラタナリット監督『ダイ・トゥモーロー』(2017)は東京初上映である。
日本とアジアの監督たちとのコラボレーションを実現させた『アジア三面鏡』のシリーズは「響き合うアジア」にぴったりの内容だ。こちらも見逃せない。ゲストも登壇しトークを予定している。(カネコマサアキ)


【作品のラインナップ】
『メモリーズ・オブ・マイ・ボディ』Memories of My Body (2018) (ジャパンプレミア)
監督:ガリン・ヌグロホ(インドネシア)
『アルファ 殺しの権利』Alpha, The Right to Kill (2018)
監督:ブリランテ・メンドーサ(フィリピン)
『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』Asian Three-Fold Mirror 2016: Reflections
監督:ブリランテ・メンドーサ、行定勲、ソト・クォ―リーカー
『ミーポック・マン』[デジタルリストア版] Mee Pok Man (1995)  ([デジタルリストア版]ジャパンプレミア)
(併映作品:『痛み』Pain 1994 )
監督:エリック・クー(シンガポール)
『一緒にいて』Be With Me(2005)
監督:エリック・クー(シンガポール)
『十年 Ten Years Thailand』Ten Years Thailand (2017)
監督:アーティット・アッサラット、ウィシット・サーサナティヤン、チュラヤーンノン・シリポン、アピチャッポン・ウィーラセタクン(タイ)
『飼育』Shiiku (2011)
監督:リティ・パン(カンボジア)
『見えるもの、見えざるもの』The Seen and Unseen(2017)
監督:カミラ・アンディニ(インドネシア)
『ダイ・トゥモロー』Die Tomorrow (東京初上映)(2017)
監督:ナワポン・タムロンラタナリット
●『アジア三面鏡2018:Journey』Asian Three-Fold Mirror 2018: Journey
監督:デグナー、松永大司、エドウィン

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