2018年3月12日月曜日

ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ


恋人が昏睡状態に!? 主人公を本人が演じた実話がもとのコメディ


2017年/アメリカ

監督:マイケル・ショウォルター
出演:クメイル・ナンジアニ、ゾーイ・カザン、レイ・ロマノ、ホリー・ハンター
配給:ギャガ
公開:223
劇場情報:TOHOシネマズ日本橋ほか

■ストーリー
 主人公はシカゴに住むパキスタンからの移民一家の息子。
アメリカに来て成功した親は、息子に医者か弁護士を望んでいるが、
息子はコメディアンを目指して、昼間はUBERの運転手をしている。
その息子が、白人女性と恋に落ちるが、一家は「白人女性なんて!」と大反対。
結婚相手は、パキスタン女性じゃないとと、息子を勘当。
一方で、彼女も主人公の煮え切らない態度に愛想を尽かし、仲は破局に。
しかし、そのすぐ後、彼女は病気から昏睡状態になって病院に入院してしまう。
眠り続ける彼女を看病しながら、主人公は彼女こそ自分の大事な人だと気づく。

■レビュー
ニューヨークを舞台にした映画では、タクシー運転手は
インド人かパキスタン人と決まっているが(笑)、ここではUBERというのが今日的。
しかも貧しい移民ではなく、成功した移民一家の息子というのも、定型の役柄とは違う。
主人公は週末になると実家に帰って、家族で食事をするのだが、
そこでは描かれるのは、移民した第一世代と
アメリカで育った第二世代との文化ギャップだ。
また、コメディでパキスタン系というと、扱うには難しい宗教ネタだが、
本作ではそこを避けずに(みんなが知りたいところでもある)、
主人公にあえて彼の宗教観を語らせているのは、勇気がいったろう。

中盤、彼女が昏睡してからは、主人公と駆けつけた彼女の両親とのやりとりが中心になるのだが、この両親がそれぞれ欠点もあるが良い人たちで、人間味を感じさせる演技が実に良い。
夫婦の感情のすれ違いとか、うまい。
ちなみに母親役はホリー・ハンターだ。
実は、本作は実話の映画化で、主人公はコメディアンである
本人自身が演じている。結末は、ハッピーエンドの
『ラ・ラ・ランド』と言っておこう。
★★